多くの人の“大切なわたしのかけら”となることを願いまして…
ホーム作者の思考理想の展示法
作者の思考
理想の展示法
2013年01月27日
ヒスイの原石(主に漂石)の理想的な展示方・換金方を考えてみました。
簡単に言ってみれば「不動産の概念を少し取り入れる」って方法です。

まず展示場を用意し、所有者の名前を表記してヒスイを展示します。
その施設のみでの販売や購入を認可し、持ち主が変われば名前も変えていきます。

重要な事は「ヒスイ自体は持ち出せない」とする事です。
要は「展示する権利と販売する権利だけを持たせる」って事ですね。

結局、お金が回れば良いだけの人達もいるのだから「ヒスイは動かず消費せずにずっと展示してある」という状態にしておけば良いのではないだろうか?
その施設での販売手数料は施設の運転資金にでもすれば良いかと思います。

しかし例外として「自己顕示・自己満足」として購入する人もいるかもしれませんので、その場合はその人が死ぬまで完全に価値が守られる事でしょう。

これにより糸魚川から外へヒスイ鉱物が出る事も少なくなるだろうし、何よりも「守ろうとする者」と「換金目的の者」とが区別できます。(頻繁に名前が変わっていけば換金目的と見られる)
なんだか今問題となっている「名誉をとるかお金をとるか」で早期退職を悩む教職員(公務員)みたいですね…。
換金した事で地元からは軽蔑されるかもしれませんが、結果的に守られるのだからそこまで非難はされないように思えます。(要はそのお金を「何に使うのか」で決まるのだと思います)

どうしても「未加工のヒスイ鉱物を公然と換金したい人達」には、こういった方法もあるのでは無いだろうか…、と考えてみました。(その施設で同時に加工品も販売すれば人が集まるように思えます)

しかし「条件付きの所有」なのでお金の回りは良くないでしょうね…。

まぁ、本来の目的は「展示して未来に残す事」なのでサブ的な意味合いとなりますが、「換金が可能」としなければ興味を持たない者が多くいる事も事実なのです。

また、よっぽど立派な建物で展示しなければ自己顕示欲を満たす事ができず、出展者が集まる事はないでしょうね。(共有するギャラリーとしての魅せ方も大切になるので、空間デザイナーみたいな人が必要になるでしょう)

そう考えると糸魚川では、もうヒスイ王国館かフォッサマグナミージアムでしか不可能ですね。(責任の観点から行政関連施設である必要がある)
ああいった施設をもっと使いこなせないものだろうかと本気で思ってします…。

特にフォッサマグナミージアムで私的に疑問なのは、新鉱物を探すのに必死になっている事です。
新鉱物とは人間社会では知られておらず名前が無いってだけで、発見以前からもずっと在り続けた鉱物です。
名前を付けて支配したい気持ちも分かりますが、自然界が創り出した存在なので完全な支配は不可能です。
それに純粋な研究心からの発見ならば、研究者らしい名前を付けた方が良いように思えます。(新鉱物は独立した機関か、独立した学者が調べれば良い事だし)

とにかく、この二つの施設が再生しない限り、糸魚川での翡翠文化の再生は大きく進む事はないでしょう。

ハッキリ言って「保護するべきもの・活用すべきもの」の優先順位は決まっていて、まず地層とかは保護するまでもなく誰も壊しませんよ。
理由は「興味がある人が少ないから」でお金に直結しないので壊れようがないんです。
壊されるとしたら「多数が興味あるもの」で、お金に直結する存在です。

それに世界が求めているのはインディアンジュエリーに繋がったような独特の文化であり、歴史的にそれらは保護しないと「換金」によって壊される事が歴史的にも証明されています。

残念な事に糸魚川(日本)では、翡翠文化は途切れた時代(表向き)がありますが、虫川での瑪瑙工場から繋がる「意志を刻む魂」は糸魚川に今も健在です。
そこからの繋がりを大切にして独特の文化を開花させていけば良いだけです。
糸魚川では「ヒスイと呼ばれる存在に意志を刻む事を異常なほど大切にする」という習慣を根付かせて行けば良いだけの話です。(他鉱物での加工も含め)

自然によって海からヒスイ(宝石)が打ち上げられると言う神秘的な自然現象があるのだから、自然と融合した人としての神秘性も大切にしていく必要があるのです。(これを書くのは二回目だったような…)

問題は作り手を育成するに当たって「誰が協力してくれるのか?」です。
まず地元企業の協力は得られない事は六年前から断言されています。
では行政が作り手の育成を支援してくれるのでしょうか…?

市が駄目なら県で、県が駄目なら国で、国が駄目なら世界で、世界が駄目なら人種を越えた「魂の共有者達」で守る以外に道は残されていません。(最終的には自身で守るしかないんですけどね)

もっと深刻な問題は地元の若者で「ヒスイ及び加工に興味のある人がいない」って現実なんでしょうけどね…。


と、こんな感じで1月は理想を書いてみましたが、どう考えても「理想を現実に近づける為のシステム」が必要となりますね…。(現実的に市場が澄みすぎても上手くはいかないし)
結局は、かなりの財力と権力がある独裁者でなくては、短時間で大きな組織や仕組を動かす事は不可能なんですよね。

まずは考えを整理して「自分ができることをして行こう」と再認識できました。

どんな状況になっても「作品を創り続ける事」これが私のするべき事なのだと思っています。
そういう人間が活動して行けば、かなり小規模ながらも「古代からの絆」は繋がっていくと信じています。


※只今、大きめの勾玉(イザナギ)を制作中です。


勾玉を久しぶりに加工していると「欲しい勾玉が見つからなかったから自分で作った」という初心に戻った気分になります。
今後は珠玉ロゴも新しくして、違ったデザインの勾玉(イザナギ)を制作しています。
同時にいろんな大珠(イザナミ)も作ってこうと思います。

自分が欲しい品を作っていけば、最終的な作品の居場所は保証されています。
常に誰かに肯定され未来に繋がっていく、そんなカタチを求めて活動して行こうと思います。(所有者が亡くなっても「かつて肯定されていた作品」として残ってほしい)

今後もヒビや石目を美と捉え、作品として媚びない品を作っていきます。
  Powered by おちゃのこネット
ホームページ作成とショッピングカート付きネットショップ開業サービス