2012年11月07日
これはもう5年くらい前に、ある人に提出した提案になります。
当時は今よりも当然若かったので、かなり理想主義的な提案となっています。
しかし、現在でもこの方法でないと糸魚川としてのヒスイブランドは、成り立たないであろうと考えています…。
■提案の詳細
◎ヒスイブランドの要点
・糸魚川を中心としてブランド化を推進する。(当たり前の話なんですが…)
・クリエイター・デザイナー・プロデューサーの三つの人材が必要。
・人材に伴い下記に上げる三本柱が必要になる。
◎三本柱の趣旨
・様々な客層に対応し、更に信用を得る為に特化した組織を三つ作る必要がある。
・糸魚川ヒスイは男性、ミャンマーヒスイは女性、コラボは両性の性質をもつ。
・商売である以上は女性がメインなので、女性専用の品を主力とする。
(コラボによるユニセックスな品も同様)
・いずれの組織も地元の人が上に立って、チームを作りブランド化を進める。
かなり大雑把な提案ではありますが、ヒスイ鉱物の商品として三つの領域を合わせる事が重要と考えています。(糸魚川ヒスイだけでは商業ブランドには成らない)
どうしたって糸魚川産のヒスイをブランド化できるのは、作る側の人なので「作れない業者」の役割を分けて考えなくてはなりません。(ブランドを支え継続させる力として、大きく貢献してくれます)
また、糸魚川ヒスイを商売に近づけすぎると「守るべき存在」で無くなるので注意が必要となります。(全体の20%としているのは極力、商売から切り離す必要があるから)
作る事のできない業者は必ず人を使う必要があって、最終的なビジネスモデルは「いかに人を低コストの労働力として使うか」という手法に成らざるを得ない。(作る事も売る事もできない場合はより多くの人を使う事になる)
地元では経営が不可能となり外での商売が必要となるのは、日本から出て海外で商売する企業と同じ理由が在るからです。(規模に問題があり、収支のバランスがとれない)
しかし、個体よりも大きなものを動かす事が可能なので、ミャンマーと繋がってもらい処理のされていないミャンマーヒスイを糸魚川にもたらし、現地で低賃金労働者を確保してもらう必要があります。(良くも悪くも業者数が多いので、その繋がりを利用できる事が利点と言える)
アイデアは糸魚川で生み出して、商品として具現化するのはミャンマーで行うのが一番低コストなのだと考えます。
ここで重要な事は、ミャンマーで作り出す商品は「ミャンマーヒスイの商品である」という事が必要条件となるでしょう。(処理されていないミャンマーヒスイの品)
多分、作れない業者は「糸魚川ヒスイをミャンマーへ持って行って加工させる」事を考えるでしょうが、「他国で作られた糸魚川ヒスイの商品」にどれほどの需要が出るのでしょうか…?(産地偽装から制作地偽装となって行くだけでは…)
結局は他の商品と同じように量産され、品が溢れ、価値を失って行くだけです。(糸魚川ヒスイが減っていくので限度がありますけど)
それに、これではヒスイブランドの格上げにはなりません。
やがてミャンマーが発展するにしたがって、力関係が変わり排除されていきます。
これは国境を越えるのは簡単ですが、人種を越える事は非常に困難な事の証明です。
全体の20%ではありますが、間違いなく糸魚川ヒスイの柱が大黒柱であり、現在の狂ったビジネスモデルに当てはめてはならない領域ということを認識する必要があるように思えます。
よって「作れない業者」には、この日本でミャンマーヒスイの価値を高めてもらわなければなりません。
そして糸魚川ヒスイとコラボレーションする事で、商売としての主力となるコラボ商品を開発していくのが、糸魚川としてのヒスイブランドになると考えています。
この事により、現在の「産地が入り交じった状況」をデメリットからメリットに変える事のできる唯一の方法であるとも考えます。(それぞれのパーツの明記は必要)
それと原石の扱いですが、現在の拾った物を売る「乞食商売」から脱却して、糸魚川市が管理販売するシステムを作る必要があります。
この領域には、いわゆる「地下経済」的なものが存在していて、裏で動く「忍」のような者達が存在します。(小規模ですけど)
当然の事ながら表である「侍」の世界へは出られません。(忍んでこその忍)
基本的に、領収書が出せないのでは商売にならないですよね…。
なのでこの領域を表に出すのなら、ここでの作業は行政が担う必要があります。
原石を売ったお金は、財政として市民の為に使えるシステムにすれば良いでしょう。
この目の肥えた、洗練された日本人に通用する商品を作り出さなければ、商売としての糸魚川ヒスイは終わりを向かえる事でしょう。(商売として海外へ出て通用する領域のものでもありませんので、日本国内で評価されるしかない)
安く売る努力をするよりは、価値を高める努力をしたほうが良いかと考えます。
もう一つの道は、個体として「守るべき存在」となる道ですが、これは作る側でしか担えず、地元の住民に認められる「伝統の担い手」でなくては不可能です。
商売から切り離したとしても「存在を維持してくれる人々」を得ていれば、小規模ながらも活動は続けていけるでしょう。
これは生き方でしか証明できず、かなりの時間を必要とする為、完全に商売から切り放たれる事はないでしょう。
有名な芸術家たちがそうであったように王族・貴族のパトロンか、支えになる民衆が無くては不可能です。
現代では国や市の補助を受ける事が可能ですが、条件は厳しいものとなるでしょう。
最近は、日本自体が「守るべき存在」を見失っているように思えますし…。
(その作り手が守るべき存在でない場合は、消えていくのが定めでしょうね)
この提案は「人材が揃えば」の話になりますので、その時期が来た時にでも参考程度にしてもらえればと考えています。
まずは各々が、個人レベルで進められる計画を行うのが得策でしょう。
(あれから5年が経ち、少しずつですが糸魚川ヒスイは進歩しているようです)