作者の思考

ヒスイ日和(文月の四)

2020年07月20日

7月の終盤に入りましたが、まだまだ梅雨は明けず曇った日が続いています。
今年は夏が短い感じがするなぁ…、人の出が少ないので感染予防には効果的ではありますが、もし「秋も短くて冬が長い」って事になると、精神のバランスを保つのに苦労するでしょう。
僅かな晴れの日を大切に活用し、今後の試練を乗り越える糧(動力)にしなくてはなりません。

それでは7月三回目の探石記録を書きます。

やっと「晴れ」と言える天気になりました、久々の日差しに細胞も喜んでいます。(7/19)
山は相変わらず雲に覆われていますが、太陽光を受けた河川敷の緑は美しく、昆虫たちの黄金時代は続いているようです。




足下の護岸ブロックにカマキリの子どもを発見、ヒスイ色を宿し輝やく姿は美しいです。
成虫になって「恐れを備えた美しさ」を魅せてくれる日を楽しみにしています。




浜は先日より砂が多くなり、海の濁りは少し弱まりましたが水底を確認するのは苦労します。
波は強めでしたが速くはなかったので、波打ち際を見ながら歩けましたが、たまに大きく打ちつける波が寄せるので、夢想状態で歩いているとビックリして目が覚めます(笑)




河口付近は打ち寄せる波により中州のような浜が増え、川から流れ出る水が湾曲していました。
こういった状態に大きめのヒスイ転石は見付かる事が多いので、川の水が澄んできたら期待できそうです。(今は濁りすぎて水底が見えない…)




海との合流点は川幅が広がったまま、流れは強くありませんが水量が減る様子もありません。
もう海水浴ができる水温ですが、もう少し待たないと濁りは治まらないでしょう。(水中が見えなくては面白さも半減です)






この時点で見付けたのはロディン岩(鶯石)、なかなか綺麗な発色をしています。


濁りの中で発見した際にはヒスイに見えるけど、「拾い上げるたらロディン岩だった」という経験は探石では良くあります(笑)


帰り際では埋まって一部しか出ていなかったヒスイ転石を発見。


姿形からして「カグツチの欠片」、灰色の地に淡緑や淡紫が入るタイプです。
表皮に近い外側の欠片なのでボソボソ感が強いですが、光沢を出せる石質なので加工は可能です。(裏側が表皮なので内側を活用するのが基本です)


更にオンファス輝石を発見、平たいので波に乗って打ち上がったのでしょう。


これの善し悪しは「乾いた状態で確認する事」が重要で、ツルツルで一体感があるのが良い素材となります。(表面に凹凸がないのがベスト、無数に走る石目の境が分からない方が良い)
基本的に光沢が出る石なので、「粘りが乏しくて割れるタイプ」にさえ気を付ければ綺麗に仕上がります。


最後はキツネ石タイプの緑色石英岩を発見。


どちらかと言えば石英部分の方が多いので、クリソプレースの類に近いタイプだと思います。
乾くと表面に微細なキラキラが現れて、良質のヒスイ転石と間違えそうな石なので「そう言う意味ではキツネ石(の総称)でも良い」って感じもします(笑)
きっと緑色に染まった雲母部分が無い(非常に少ない)のでしょう、加工に使えるかもしれないので試したいと思います。(中に色はあるのだろうか?、色も淡すぎるかな〜。)


前回にも感じましたが、やはり面白い石が少ない気がする…、でも夏の海は毎年こんな感じですね(笑)
ちょっと石運には恵まれなかったかな〜、と思いながらも「この晴天を楽しまなくては勿体ない」と思い、青海の海岸へと向かいました。


こちらは海の濁りが少なく、小石がたくさん上がっていました。
本来なら「もっと大きい石」が上がっている浜ですが、たまに押上海岸のような状態にもなるので、練磨が良いサンプルが拾える事もあります。





一通り歩き、灰簾石(アケビ石)、ロディン岩(鶯石)、キツネ石(緑色石英岩)を発見。


灰簾石は滅紫が濃くて良い感じ、サイズも良く肌もツルツルなのでサンプルとして保管します。(個人的に好きな石で、見本としてコレクションしています(笑))

ロディン岩(鶯石)は表面に茶色い汚れが着いているけど黄緑は綺麗、磨けば茶色は落ちるので研磨しようかと思います。(たまに中まで茶色が入っている事もある…)
何かしらの活用を見出さないと勿体ない石、ヒスイとの区別が肝になるでしょう。


キツネ石(緑色石英岩)は通常とは違い、ちょっと「珪孔雀石の類」に似ているタイプ。
母石に流紋岩が多く含まれているのだろうか?、石質は淡紫を示すタイプに似ている。
雲母が含まれていない(少量しか含まれいない)ような感じ、キツネ石と流紋岩が混ざっているのかな?
良く分からないけど、面白いのでサンプルとして保管します(笑)


最後は…、ヒスイ輝石岩(ヒスイを含んだロディン岩・曹長石岩)と言えるであろう石。



これはロディン岩・曹長石岩・ヒスイが混ざっているタイプだと思います。
ヒスイが「多少でも含まれる」と判断するには、表皮側の特徴を見ないと分からないでしょう。
このタイプにはキラキラ(翡翠輝石)が見られない事が多いので苦労します。

どれが母石なのか?、と考えると難しい…。(曹長石岩が多いかと思われるが…)
機械分析するのが良いですが、もっと多くの成分が出てきそうな気もします(笑)
タイプとしては紫が入るヒスイに見られる特徴と言うか、その端っこに多く存在しているように思えます。(後は巨大なヒスイ岩石の表皮にも)
いずれにせよ純度が低いのでヒスイとは言えないと思いますが、「ヒスイを含む〜」として説明はできるかと思います。(また分析してもらおうかと思います)


久々の晴天下で楽しめました、早く梅雨が明けないかな〜。
人とのコミュニケーションはリスクになってしまい残念ですが、これからも続いて行く「神々との交歓」は私に力を与えてくれるでしょう。(力が引き出されているのかも?)

人間に近すぎれば「感染」に脅かされ、自然に近すぎれば「災害」に脅かされる、自分の環境を見直しながら自己防衛能力を高めて行くしかないのでしょう…。
でも過剰な「強迫観念」は危険、何でも支配しようとするので最終的に破滅に向かいます。
シンプルに生きるには強さが足りないなぁ…、克服できない弱さを抱きながら「強く在ろうと生きる事」が大切なのかもしれませんね…。

これで今回の探石記録を終わります。
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