作者の思考

作品紹介

2017年05月04日

今回は、建速素戔鳴尊「天上天下」の伍作目を紹介します。

加工に用いたのは今までとは別のヒスイですが、全体を淡緑に染める非常に良質なヒスイです。
宿す模様からテーマを雲蒸竜変と迷ったのですが、透明度の高さや素直に受ける印象を優先して「天上天下シリーズの新作」としました。
背景には渓谷の岩肌を表現し、そこを流れる雪解け水を含んだ清流をイメージして撮影しました。




春先に見たヒスイ峡での清流色を宿していて、揺らめく模様は川の流れを想わせてくれます。
以前に加工していたヒスイと同様に非常に石質が良いので、艶やかな仕上がりとなりました。
渋めの緑はスサノオを表現するのに相応しく、独特の力強さを内から放っています。





可能な限り目立ったヒビを避け、瑞々しい作品に仕上げる事ができました。
天上天下としてヒスイを変えての制作でしたが、満足な作品となった事を嬉しく思います。




透明度も非常に高く、光を受けると生命色に輝きます。
模様が浮き上がる事で水面を強く感じ、初夏の川遊びが頭に浮かんできます。
私が目指す「記憶の具現化」に、また一歩近づけたかと思っています。





このタイプ(透明度の高いヒスイ)はミャンマー産ヒスイとの区別が難しいので、必ず原石の状態で確認する必要があります。
更に持ち主にも注意が必要で「共通する拘り」を持った者で無ければ信用できません。
加工の際での違和感(経験での)も重要だし、海岸転石でのデータも必用不可欠となります。
それらを総合して作品を制作しているので、万が一も無いと思っています。(個人的に)

とにかく少しでも自分の基準に逸れていたならば、その原石には手を出さないのが肝心でしょう。
特に「背に腹は変えられず目が曇っている状態」が、一番危険なので作る側も売る側も気を付けなくてはなりません。(無意識に間違える確率が高くなります)



ちなみに個人的な話になりますが、先月末で40歳になりました…。
これを機会に神玉(天津神)の価格を表記して行こうと思います。
伏せていた理由は「差別化したい」って事で、10年前には色々と面倒があったので巻き込まれたくなかったのですが、もう市場も濾過されてきたので大丈夫でしょう。

しかし感謝するのは「その状態でも、お客さんが購入してくれた」って事で、今まで活動して来られたのは、そのお客さん達の支えが在っての事です。(本当に感謝です!)
私がコラボに進めるのも作品を購入して下さる方々と、自然との記憶が原動力になっています。

新たに国津神へ向かう前に、自分で売る事にも力を入れて挑戦して行きたいと思っています。(試作段階の国津神や納品済みの作品の値は、今まで通り表記しません)
物産センターでは初めから価格を表記していましたので特に変わる事はありませんが、自分で販売する際は手数料が必要ないので、それが価格に反映される場合もあります。(要は物産とネットでは値が違う場合があるって事です(笑))

30代は単独で活動する時間が長かったので、40代は仲間を探す事に力を入れたいと思っています。(旧友などにも久々に会いたいと思っています)
ちょっと感傷的になっているのかなぁ…、友が懐かしくて仕方がない(笑)

幸いにも人の縁には恵まれているので「自立しながらも協力すると言う矛盾の世界」を、自分らしく生きて行きたいと思います。
ホーム | ショッピングカート 特定商取引法表示 | ご利用案内
Powered by おちゃのこネット