作者の思考

作品紹介

2017年01月27日

今回は、建速素戔鳴尊「天上天下」の四作目を紹介します。

加工したヒスイは今までと同じ母石で、このヒスイで幻日と月光も制作しています。
しっかりとした石質で透明度が高く、光沢も出やすいので加工に向いた素材です。
背景の撮影には、厳しい冬を耐えながらも緑を残す葉を用いて撮影しました。




美しい白地が特徴で、全体を覆う氷雪ような模様を楽しめる作品です。
その姿はまさに氷龍を見ているようで、今の季節に誕生した特徴を宿しています。
ヒビや石目の多いヒスイですが、それらを避けて加工する事ができました。





冷たい印象が強い作品ですが、太陽光を受けると僅かに緑に染まります。
これにより、冬へ向かう季節の作品では無く、再生の春へと進む作品である事が解るかと思います。(傍若無人のテーマとの違いが解るでしょう)





シリーズを通して透明度が非常に高く、光を受けると神秘的に輝きます。
一つの結晶体のような質感は堅牢でありながらも生命力に満ちていて、まるで生きているかのような瑞々しさがあります。(水を含んでいるような姿をしています)





ヒスイ拾いをしている人ならば解るのですが、そう簡単に見付けられるヒスイでは無く、更に加工が可能なタイプは稀少となります。
今後、幻日・月光・天上天下ともに数点の加工は可能ですが、その後は新たに入手しなければ作れないでしょう…。(それも運次第ですね)
貴重なヒスイなので、大切に活用したいと思います。

このヒスイの魅力は、光沢が良く透明度が高い事と白地でも僅かに緑に染まっている事でしょう。
様々なヒスイがあって、それぞれに魅力があって、同じヒスイなのに多くの表情を楽しめるのは表現する者にとっては最高の存在だと感じています。

名前の由来となっているカワセミも、世界を見ると様々な色と姿をしています。
一般的な翠〜緑に固執せず、それぞれの良さを引き出せる作り手と成れたらと思います。

そして最終的には、この糸魚川ヒスイの領域で「作る者」が胸を張って生きられる環境を作りたい!
それにはルール(基準や見本)が必用で、育てる環境も整えなくては成らないでしょう…。
志と資金のバランスを考えながら進まなければ…。(そもそもに、一人じゃ無理(笑))

重要なのは「活用する側の育成」であり、保護する側の育成は「行政が必死に進め行く」って事です。
これは「活用する事で利益を得る側」と「保護する事で利益を得る側」の違いであり、それぞれのベースを保ちながらもバランスを考えて進める必用があるでしょう。
簡単に言えば活用する側は「消費しまくれば利益になる」し、保護する側は「保護を謳っていれば税金を得る大義名分になる」って事なので、「無駄に利益を貪る事もせず、税金を得る為の免罪符にもしない」と言ったスタイルが必用となるのでしょうね…。

よって「可能な限り無駄のない最高の作品を創って行く事」、それが「活用する側での保護」なのだと私は考えています。
その(活用する側の育成)為なら、天下りの公僕ジジイを利用してでも成したいカタチがあるので、今後は「次世代の肥やし」として活用する事も厭わない時期が来るような気もします…。
しかし今現在で「それ」で延命している体制があるので、その体制に成り代わらない限りは、糸魚川では道は拓けないのかもしれません。(逆に言えば、別の場所でなら可能となるのだろうか?)

ともあれ今の世の中で人を育てると言う事は大変な事なのだと、この年になって痛感するようになりました。(そもそもに人材がいなければ成り立たないし…)

願わくば「作る側が裏方にまわるような未来」に成りませんように…。




全く話は変わりますが、稀勢の里関、横綱昇進おめでとうございます!!!!!!
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