作者の思考

作品紹介

2016年06月14日

今回は、友人が出逢ったヒスイ転石を加工しましたので紹介します。

友人が勝山の海岸で拾った黒ヒスイの転石です。
このタイプは青海の山系で、翠も混ざりますが不純物も多く入るのが特徴です。
しかし石質自体は安定していて、磨きやすく艶が出しやすいです。




プレートにする程の厚みも無かったので、転石時の形を活かして削り出しました。
モデルは勾玉では無く牙や爪をイメージして、可能な限り大きい叢雲の垂飾(カンナ)を制作しました。
淡翠の地に黒が流れる模様が魅力的で、春雨や初夏の梅雨を映しているかのようです。
特徴である不純物による表面の凹凸は残るものの、それらも景色として楽しめるかと思います。
友人が「海で濡れていた際は非常に美しく見えた」と言っていたので、研磨した事でその姿に近づいたかと思います。




やはり勝山の海岸は自然研磨が荒い(波が強い)ようで、艶やかな転石と出逢うのは難しいようです。(何度か友人のヒスイ転石を見せて貰い確認しました)
しかし加工には向いているので、標石探しと素材探しを分けて楽しんでも良いのでしょう。

このタイプのヒスイは青海川付近で見つかりやすく、押上海岸では滅多に出逢えません。
なので色々な海岸を歩き面白い転石(ヒスイに限らず)と出逢うのが、転石探しの醍醐味なんだと思いました。(カタチにして身に付ける事も含め)

これからも楽しんで、面白い石を探してくれる事を願います。



こちらは海岸転石での制作ではありませんが、優しい紫色のヒスイを加工した品です。
河川敷に広がる花の絨毯ほどの色彩ではありませんが、開花をテーマに制作しました。
本格的な夏に向け色付きを増す紫陽花をイメージし、ウッドビーズと革紐で仕上げています。


次は真夏をテーマにした作品(青系)も、作ろうかと思っています。


しっかしもう6月、一年の半分が過ぎ行こうとしていますね…。
やる事はたくさんあるのですが、なかなか進まない(笑)
制作と創作の狭間で右往左往している感じがしますが、これも前に進む為に必用なのだと信じて楽しみながら進みたいと思います。
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