作者の思考

作品紹介

2016年01月07日

今回は、友人からのオーダーを受けて制作した作品を紹介します。
以前に勾玉を制作したヒスイのカケラを加工し、ペンダントを制作しました。
非常に良質のヒスイだったので、勾玉を作った後でも幾つものルースを作る事ができました。
仕上がったペンダントは母親(友人自身の)へ贈るのだそうです。




透明度も高く、明るい翠が非常に綺麗です。
雲海のような模様が魅力的で、ヒビも避けて仕上げる事ができました!



金具はSVの既製品ですが、ルースは外す事も可能なのでオーダーメイドの金具に入れ変える事も可能です。
でも普段使いならば、今の状態でも問題はないのでしょう。(ジュエリーとするなら相応の金具が必用ですが、お守りとするならば金具はあまり関係なく、むしろ銀の方が良かったりする)



もう一つは灰色ヒスイの転石で制作した垂飾です。(転石の画像を撮り忘れました…)
友人の注文で、矢尻のようなデザインの垂飾を作りしました。
私的に石器そのものを作っても面白くないので、石器からの派生をシンプルなデザインで形にしてみました。




灰色といった、一般受けしない発色のヒスイを魅力的に見せるには「模様」と「形」が特に重要になります。
「可能な限り大きめ」という希望だったので、「矢尻と言うより矛先」に近いデザインにし、その灰色を活かして鉄器を想わせるシャープなラインをとりました。





先端は鋭利で、ダンボールなどには突き刺さります(笑)
いざとなれば護身の為の道具にもなりそうですね…、まさに道具からの派生の初歩、これはこれで面白いです。(自分に刺さらないように気を付けてほしい)





叢雲の垂飾(カンナ)として制作したので、雨雲のような景色が出てくれて良かったです。
稲妻のような模様はありませんが、それは鋭利なデザインにする事で表現したので伝わると思っています。(私としては(笑))
それにこの石器からのスタイルは、神玉の武御雷神の原形でもあるので順を追えば理解できる事なのでしょう。

灰色系のヒスイは質が良いのが多く、加工に向いています。
こういったヒスイを加工して魅力的な存在を生み出す事が、加工人の本懐なのかもしれません。

今後も友人がいれば、私は初心を忘れる事なく成長して行けるのでしょう。
高みを目指す事で無駄な事を削ぎ落として行きますが、その「無駄としている中にも大切な事が残っているのだ」と気付かせてくれます。

慣れと言う耐性を得ながらも感動の劣化はしない、そんな理想的な魂を自身に宿して行けたら最高です。
同時に、それをもたらす人の縁も大切にしたいと思います。
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