作者の思考

支え合う人達

2015年03月01日

この仕事をしていると、様々な人達に出会います。
特徴を大きく分けると三タイプあり、それぞれに違ったメリットを与えてくれます。
それらのメリットとデメリットを書きたいと思います。(以前にも似た事を書きましたが(笑))

一つ目のタイプは、作品を購入して下さる方々です。作者と世界観を共有し、その創作活動を最も支えてくれます。
三位一体で言う、魂・肉体・精神を救う唯一無二の存在だと言えるでしょう。(作者にとって)
この存在がないと、芸術は成り立つ事はあり得ません。

しかし、物事には表裏があり、存在感が強い事でデメリットも強くなったりします。
例をあげると心酔し「同化したがる」、「束縛したがる」、「操作したがる」と言った危険性が高まります。


二つ目のタイプは、自分で拾ったヒスイの加工を依頼してくれる人達です。
自身の思い出のカタチを委託する事で、作り手を支えてくれます。
三位一体で言うと、肉体を主に救ってくれます。(全く魂と精神を救わないわけではない)
必ず資金が得られるので、ある程度の安定が得られます。

デメリットとしては、作り手に対する「羨望と嫉妬」や、「使役したがる」と言った危険性が高まります。


三つ目のタイプは、自分で拾って自分で作る人達です。
副業(趣味)であれ本業であれ、基本的に根本が同じなので、作る楽しみや大切さを共有できます。
三位一体で言うと、主に精神を救ってくれます。
「同病相哀れむ」とでも言うのでしょうか…、苦労も分かち合う事ができます。

デメリットとして、「才能への嫉妬」があり、更に「傷の舐め合い」により、お互いの成長が止まる危険性が高まります。
たま、自身で作るので「お客さん」と言った扱いにはなりません。
これは私も同様で、他者が作ったヒスイ製品を私が購入する事は在りません。(将来的にコラボは在るかも)


当然ながら、キッパリと三タイプに分かれておらず、それぞれの中間にいる人達も大勢います。(一と二の中間は、特に女性が多いように思えます)
その他にも傍観しているだけの人や、全く関心のない人もいますが、お互いに「毒にも薬にもならない」ので説明は必要ないでしょう(笑)


人との関わりは、とても大切で、生きていく為には必要不可欠ですが、適切な距離を把握していかなくては良い関係は築けないでしょう。
何故なのかと問われると、人間と言う存在が「基本的に弱い存在だから」としか言えないかと…。

近づきすぎて過剰な集団となれば、人間としての強者も弱者となり、やがて卑怯者(ザコ)となって行きます。(人としての様々な基準が、崩壊していきます)
そういった習性を宿命づけられているとしか思えない程、非常に不安定で矛盾しています。

それでも繋がりながら支え合い、傷つけながらも未来を共有する…、とても不思議です。

希望と絶望を身に宿し、どう進むべきなのかを共に考えて行く、それが人としての友(仲間)なのかもしれませんね。
支え合える人達と上手に付き合って、共有できる未来へ進めたらと思います。




ちなみに、こちらは地元の人から首飾りの依頼を受けて作りました。
転石自体は既に磨かれて穿孔もしてあり、それを革紐とウッドビーズで首飾りにしました。(タイプで言えば、二つ目のタイプに入るでしょう)



転石は、そのままなら標石クラスでしたが「それを身に付けたい」と言う気持ちも良く解ります。
家にただ置いておくよりも「身に付けていたい」、私の仕事の原点にも同じ思いがあります。(私の原動力は「造形して高めたい」って思いです)
地元の人と言う事もあり、そういった意識を持った人の存在を嬉しく思います。
今では簡単には出会えない紫ヒスイの転石、きっと思い出のあるヒスイなのでしょう。

そういった存在を、お守りとして身に付けて生きるのも、人として大切な事だと感じます。
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